
インサイドセールスにとって「事例インプット」は明確な武器になる。
こんにちは。セールスリクエスト代表の原です。
今日は、インサイドセールス(IS)に欠かせない「事例インプット」について、自分の考えをまとめてみます。
結論から言うと、事例は「覚えているか」ではなく「引き出して使えるか」がすべてだと思っています。
資料で見たことがある…程度ではまったく武器にならない。
むしろ、それをどこで、どう使うかまで考え抜いて初めて、事例は威力を発揮します。
なぜインサイドセールスに「事例」が不可欠なのか?
インサイドセールスは、商談化前の早いタイミングで顧客と接点を持ちます。
限られた時間・情報の中で「もう少し話を聞いてみたい」と思わせる必要があります。
このとき武器になるのが、自社のスペック紹介ではなく、他社の“変化”を語れることです。
「◯◯社も導入してますよ」では弱い。
重要なのは、相手の業界・課題・立場・タイミングにぴったりハマる事例を、自然に差し込めるか。
つまり、“文脈に合ったリアルな変化”を伝えられるかどうかが問われています。
【STEP1】まずは体系的に整理する
「最近出た事例を片っ端から読む」というインプットでは、頭には入っても取り出せない。
だから、最初から“構造”で覚える必要があります。
僕が意識しているのはこの5軸です。
課題別:属人化、営業の非効率、検討が進まない etc.
業界別:製造業、人材業界、自治体など
役職別:現場担当と役員では刺さる話が違う
導入範囲別:全社導入 or 部門導入
企業規模別:100名以下と1,000名超では意思決定構造が違う
この5軸でクロス整理しておくと、
「製造業 × 属人化課題 × 部長クラス × 部門導入」のように、
相手の属性に即した事例を秒で引き出せる状態が作れます。
【STEP2】「なぜそのタイミングで導入したか」まで押さえる
さらに強くなるのが、事例の背景にある“コンペリングイベント”まで把握しておくこと。
IPO準備で営業KPIの可視化が急務だった
DX予算の消化が必要だった
トップダウンで営業改革プロジェクトが動き出した
こういった導入のきっかけがわかると、共感の質が一段上がります。
相手に「うちもまさにその状況だな」と思ってもらえるかどうか。
それを引き出せた瞬間に、「こいつ、わかってるな」と思ってもらえる。
単に「導入して成功した」ではなく、なぜその会社がそのとき動いたのか?まで語れること。
それが、信頼につながります。
【STEP3】引き出して“一言で”差し込める状態にする
インプットの最終形は、「話せる状態にしておくこと」です。
よく「資料では見たけど、会話の中で出てこない」というケースがありますが、それは“ナレッジの死蔵”。
引き出しの精度と瞬発力が求められます。
具体的には、この3ステップ。
相手の状況をヒアリングし、
該当する事例を選び、
一言トークとして自然に差し込む
そのために、社内では以下を実践しています。
事例をスプレッドシートで整理しておく
Slackで「一言トーク」としてナレッジ共有する
ロープレで瞬発力を鍛える
事例は「営業資料」ではなく、「武器」である
事例って「営業資料」として整理されがちなんですが、
僕はむしろ、“戦場で使う武器”だと思っています。
引き出せない武器は持っていないのと同じ
的外れなタイミングで使えば、信頼を損なう
適切な文脈・タイミングで使ってこそ、最大の効果を発揮する
ISの仕事は「話を聞いてもらう」ことではなく、
「この人の話なら聞く価値がある」と思わせる瞬間をつくること。
そのために、今日も“武器”を研ぎ続けましょう。
チーム全体で武器化できると、もっと強くなる。そう信じています。
不定期で気が向いた時に更新していきますので、どうぞお付き合いください。
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