
断られた後が勝負どころ!成果を生むインサイドセールスの超実践トークスクリプト作成術
インサイドセールスにおいて、「断られたら終わり」と感じていませんか?
実は、断られたその後こそが商談化への最重要フェーズなのです。見込み顧客が一度断ったという事実は、必ずしも興味がないことを意味しません。
本記事では、断られた後の対応で差がつく、成果を生むトークスクリプトの実践術を、具体的な例とともにご紹介します。
目次[非表示]
なぜ「断られた後」が商談化のゴールデンタイムなのか?
「検討しておきます」は本当に脈なし?見極めポイントとは
「検討しておきます」という返答は、決してイエスでもノーでもありません。見極めるべきはその言葉の背景です。たとえば以下のようなポイントが判断材料になります。
- 声のトーンや間の取り方に躊躇があるか
- 明確な検討期間や判断基準が提示されたか
- 次回の具体的な接点があるかどうか
これらが曖昧であれば脈なしの可能性が高く、逆に具体的であれば検討段階に進んでいるサインといえます。
インサイドセールスで成果が出る人は「断られた後」に何をしている?
成果を上げるインサイドセールス担当者は、断られた直後に「なぜ断られたか」を冷静に探ります。そのうえで次回接点の理由を会話の中で伏線的に作り、「再接触のきっかけ」を設計します。
例えば、「◯月に新プロジェクトが始まるとおっしゃっていたので、そのタイミングでご連絡してもよろしいですか?」といった一言が有効です。
営業心理学から見る「人は断ったあとに心が動く」理由
心理学的に見ると、「人は断ったあとに心が動く」ことがあります。
これは偶然ではなく人間の心理に根ざした自然な反応であり、営業心理学でも重要な視点です。その背景には「一貫性の原理」と「返報性の原理」があります。
「一貫性の原理」とは、人が自分の言動に一貫性を保ちたいと感じる心理です。何かを断った後、「本当にこれでよかったのか?」と違和感を抱くことがあります。この時しつこく迫るよりも理解を示すような態度をとることで、相手に好印象を与えやすくなります。
また「返報性の原理」は、相手から何かを受けたときに「お返しをしなければ」と感じる心理です。営業でも丁寧で思いやりのある対応をすることで、それが心理的なお返しを促し、次の提案が受け入れられやすくなるのです。
つまり断られた直後は一見マイナスのようでいて、実は心理が揺れ動く大事なタイミングです。誠実かつ柔軟な対応をすることで、相手の心を少しずつ動かすことが可能になります。
成果を生むトークスクリプトの基本構造
インサイドセールスのトークは「会話設計」から始まる
成果が出るスクリプトの前提は「会話として自然かどうか」です。一方的な情報提供ではなく、相手の発言に応じた対話を前提に設計することが鍵となります。
初期ヒアリング〜断られた後までの会話フロー全体像
会話のフェーズを分解すると、以下のような流れになります。
- アイスブレイク/関心喚起
- 現状・課題ヒアリング
- 仮説提示と提案
- 拒否対応と関係維持
- 次回接点の確保
この全体像を意識し、各パートに適した言葉を用意することが、成果に直結します。
トークスクリプト作成の3つのポイント
トークスクリプトを導入する際には、以下の3つを意識することが重要です。
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あらゆるケースを想定しすぎない
対応パターンを増やすのは有効ですが、すべての状況に備えようとするとかえって非効率になります。現実的には、すべてのケースを予測することは困難であり、あくまで「失注や興味離脱を防ぐための最小限かつ効果的な流れ」を重視しましょう。
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運用と振り返りをルール化する
作って終わりではなく、実際の通話での使用状況や成果を定期的に振り返ることが重要です。初回架電から商談獲得につながる確率や、再アプローチの成功率が低ければ、スクリプトがうまく機能していない可能性があります。
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継続的なアップデートを仕組みにする
営業現場で得られたナレッジを共有・蓄積できるよう、チーム全員が書き込めるスプレッドシートなどを用意しましょう。そこに、業界ごとに効果的だったトーク例や、新たな訴求ポイント、顧客の反応が良かった事例などを書き留め、月に1度を目安にスクリプトを見直す運用が理想的です。
トークスクリプト例
【接続した場合】
【ご不在の場合】
断られた瞬間の「切り返し」トーク例と解説
「今は検討していません」への切り返し3パターン
「今は検討していません」という言葉は、タイミングの問題であることが多く、切り返しのチャンスです。以下のような3つのアプローチが有効です。
パターン1:未来の接点提案型
「承知しました。ちなみに、半年後の予算編成時などで改めてご提案させていただくことは可能でしょうか?」
パターン2:仮説確認型
「おそらく今は◯◯の優先度が高い時期かと推察しました。もし時期がずれるようであれば、少しお時間いただいてもよろしいでしょうか?」
パターン3:情報提供型
「無理にお話を進めるつもりはありませんが、業界の動向資料などお役に立つ情報がありまして、ご共有だけでも可能ですか?」
「興味ありません」から関係構築につなげるスクリプト例
「興味がありません」と返された場合でも、やりとり次第で信頼関係の入口を作ることは可能です。以下はその一例です。
「ありがとうございます。念のためですが、なにか以前にご不満な点やご懸念があったのでしょうか?もしお聞かせいただければ、無理なご提案は避けつつ、今後の参考にしたく……」
このように相手の経験や理由に敬意を払いながら、本音を引き出す姿勢が信頼構築につながります。
NGトーク例とよくある失敗パターン
成果を遠ざけるNGトークには以下のようなパターンがあります。
- 「本当に検討しなくていいんですか?」と押し売り感を与える
- 「他社でも成果が出ています!」と一方的に押し通す
- 「少しでも時間をください」と執拗に食い下がる
これらはすべて、相手の意志を尊重しない態度と受け取られやすく、信頼を損ないます。
断られた「後」こそ関係構築のチャンス
次回接触の「理由」を会話の中でつくる方法
たとえ断られたとしても、そこで関係を断ち切る必要はありません。重要なのは、次回の接点につながる理由を会話の中で仕込んでおくことです。例えば、以下のような一言が有効です。
「◯月に御社で新システム導入のご検討が始まるとのことでしたので、その頃に改めてお声がけさせていただいてもよろしいでしょうか?」
相手の発言や状況を踏まえた「自然なきっかけづくり」が、次回接触のハードルを下げます。
メールやSNSなど非対面チャネルとの組み合わせ例
一度断られた後は、電話やZoomといった同期型の接触だけでなく、非同期型のチャネルを活用することも有効です。
- フォローアップメール:情報提供や御礼を添えて再接触の機会を創出
- LinkedIn:相手が業務関連情報を発信している場合は、自然な形でリアクションやコメント
- 営業支援ツールを活用したフォロー:MA/CRMを活用し、適切なタイミングで自動リマインドやパーソナライズメッセージを配信
複数チャネルを組み合わせることで、接触機会の絶対数を増やし、記憶に残る存在となることが可能です。
実践に活かすトークスクリプトの運用ポイント
スクリプトを「読む」のではなく「活かす」チームの育て方
トークスクリプトは、ただ読み上げるだけでは成果につながりません。重要なのは、「なぜその言葉を使うのか」「どのタイミングで使うのか」といった意図を理解し、現場で柔軟に活かせるようにすることです。
実践的な育成方法としては、以下のようなステップが効果的です。
- スクリプトごとに「想定背景」や「狙い」を明文化
- ロールプレイを通して実践的な使い方を練習
- ベテランの対応録音を共有し、ニュアンスを学ぶ
スクリプトの型を活用しながらも、相手の反応に応じてアレンジできるようになることが理想です。
トーク改善のフィードバックサイクル構築法
スクリプトの運用は一度作って終わりではありません。成果を出すチームは「改善サイクル」を日常的に回しています。具体的には以下の流れです。
- 架電結果や録音データの定期共有
- 月次・週次のレビュー会での成功/失敗トークの分析
- テンプレートのバージョン管理とチームへの展開
このように「現場→分析→改善→再実践」のサイクルを仕組みとして設計することで、トーク品質は継続的に進化していきます。
成果が出ない時の見直しポイント
「トークスクリプトを導入したのに成果が出ない」という場合、以下のようなポイントを見直す必要があります。
- スクリプトが顧客像とずれていないか?(ペルソナ不一致)
- 現場で「理解」されて運用されているか?(ただの読み上げ)
- 成果指標と運用内容が結びついているか?(KPIと乖離)
場合によっては、「スクリプトの作り直し」よりも「活かす文化」の再構築が必要なケースもあります。
セールスリクエスト社が提供するスクリプト最適化支援
インサイドセールス部門立ち上げ〜運用フェーズでの支援実績〜
セールスリクエスト社では、インサイドセールスの現場を熟知した専門チームが、貴社の課題や顧客属性に合わせたスクリプトの設計・運用を一貫してサポートしています。
セールスリクエスト社は、これまでSaaS、製造業、BtoBサービス業など、さまざまな業種の企業でインサイドセールス組織の立ち上げ・拡張を支援してきました。例えば、
- インサイドセールス部門立ち上げ初期のスクリプト設計と運用支援
- 月100件超の架電ログを分析した改善サイクルの導入
- マーケティングとの連携を前提にした会話設計
業界や体制に応じた柔軟な支援が可能です。
セールスリクエストが考えるインサイドセールス立ち上げ時のトークスクリプト作成ポイントの具体的な資料を以下からダウンロードいただけます。(個人情報を記入せずそのままダウンロードすることが可能です。)セールスリクエストを検討いただく際の参考にしていただければ幸いです。
スクリプト改善・トーク設計に関するご提案
「スクリプトがうまく機能していない」「成果にばらつきがある」
そんなお声をいただくことも多く、当社ではスクリプト改善やトーク設計に関するご提案も実施しています。
プロの視点から現状のスクリプトを分析し、必要に応じてヒアリングや体制設計のアドバイスも可能です。具体的なご相談を通じて、最適な支援内容を検討させていただいております。
▼関心をお持ちの方は、こちらよりご連絡ください
まとめ
「断られたら終わり」ではなく、「断られた後」が商談化のスタートラインです。成果を生むインサイドセールスのスクリプトは、単なる会話のテンプレートではなく、顧客の心理を理解し、関係を築く設計図です。
スクリプトを「活かす」ためには、個人スキルの育成とチームとしての改善サイクル、そして適切な支援パートナーの存在が欠かせません。まずは、現状のスクリプトが本当に商談につながる「会話」になっているかを見直してみてはいかがでしょうか。
貴社のインサイドセールスが、より成果に直結する活動となるよう、セールスリクエストが全力でサポートします。