
HubSpotのSales Hub導入後にやるべき初期設定・構築ステップ
HubSpotのSales Hubを入れたけど、何から手をつければいいのか?ということをよく耳にします。特に初期設定や構築は意外とつまずきやすいポイントです。
この記事では、セールスリクエスト原が実際にSales Hubをゼロから構築した経験をもとに、設定の流れや注意点をステップごとに整理しました。
目次[非表示]
- 1.HubSpot Sales Hubとは?導入の目的と特徴を理解しよう
- 2.Sales Hub導入後にやるべき設定・初期構築ステップ
- 2.1.STEP1:ユーザ設定・権限設定を正しく行う
- 2.1.1.CRMユーザー設定
- 2.1.2.レポートダッシュボードの共有と権限管理
- 2.1.3.アカウント全体設定(通貨・言語・タイムゾーンなど)
- 2.2.STEP2:各オブジェクトのプロパティ設定を最適化する
- 2.2.1.プロパティ設計の基本方針
- 2.2.2.オブジェクト別の代表的プロパティ設定
- 2.2.3.プロパティ追加と編集の手順
- 2.3.STEP3:取引ステージの最適化を行う
- 2.3.1.ステージ設計の基本構成
- 2.3.2.ステージ確度の設定と活用方法
- 2.3.3.ステージ移動ルールの明確化
- 3.最後に
HubSpot Sales Hubとは?導入の目的と特徴を理解しよう
HubSpot全体の構造とSales Hubの位置づけ
HubSpotは、マーケティング・営業・カスタマーサポートを統合的に管理できるCRMプラットフォームです。その中心には「CRM(顧客関係管理)」があり、すべてのHubがこのCRMデータベースを共有しています。主な構成要素は以下の3つです。
Hubの名称 | 主な目的 | 活用領域 |
Marketing Hub | リード獲得と育成 | Webフォーム、メール配信、キャンペーン管理など |
Sales Hub | 商談・営業活動の効率化 | 商談管理、パイプライン可視化、タスク自動化など |
Service Hub | 顧客サポートの最適化 | チケット管理、ナレッジベース、アンケート管理など |
Sales Hubは、この中でも営業部門の生産性向上と売上拡大を目的とした中核ツールです。すべての営業活動を1つのプラットフォームで統合・自動化できるため、「顧客との関係性をデータで見える化する営業基盤」として活用されます。
Sales Hubでできること(商談管理・自動化・レポート)
Sales Hubの最大の強みは、営業プロセス全体の「見える化」と「自動化」にあります。具体的には次のような機能が利用可能です。
● 商談管理
- 各案件(取引)を「ステージ」ごとに整理し、進捗をリアルタイムで把握。
- 担当者・確度・見積金額などを一元管理できる。
- パイプラインを可視化し、ボトルネックを早期に発見可能。
● タスク・メールの自動化
- フォローアップメールやリマインダーを自動で送信
- 営業担当者の手作業を減らし、より「商談の質」に集中できる
- ワークフロー機能を使えば、条件に応じて自動でタスクを生成
● レポートと分析
- 売上進捗、活動量、商談獲得率などをダッシュボードで可視化
- KPIに基づいたデータ分析で、営業戦略の改善に役立てられる
- チーム別・担当者別の成果比較も可能
Sales Hub導入後にやるべき設定・初期構築ステップ
STEP1:ユーザ設定・権限設定を正しく行う
HubSpotを導入したら、最初に行うべきは「ユーザー設定」と「基本構成の整備」です。ここを丁寧に設定しておくことで、チーム全体のCRM運用がスムーズになり、後々のトラブル(アクセス権限ミス・データの重複など)を防げます。
CRMユーザー設定
まずは、HubSpotにアクセスできるユーザーアカウントを登録します。Sales Hubでは、ユーザーごとに適切な権限・チーム配属を行うことが重要です。
【手順】
ユーザの作成方法は二通りの方法があります。
- 一人招待しユーザを作成する
- ユーザ情報を記入したCSVファイルから複数のユーザを一度に作成する
今回は一人ずつ招待する方法をご説明していきます。
- 設定 > ユーザーとチーム を開く
- 「ユーザーを追加」からメールアドレスを入力し、招待を送信
- 権限テンプレート(営業担当・マネージャーなど)を選択
- 必要に応じて「チーム」に所属させる
【運用のコツ】
- チーム単位で「閲覧範囲」を限定し、情報漏洩を防止
- 組織変更に合わせて、定期的にユーザー権限を棚卸しする。
参考: 管理者権限を持つユーザーが複数いる場合、設定変更の通知をSlack連携などで自動送信すると便利です。
レポートダッシュボードの共有と権限管理
ダッシュボードは、営業成果を可視化し、チーム全体で状況を把握するための重要な機能です。
【設定の流れ】
- レポート > ダッシュボード に移動
- 「新しいダッシュボードを作成」し、テンプレートを選択
- 主要指標(KPI)を追加:取引数、商談金額、成約率、リード数、活動件数 など
- 共有設定を「全員」「チームのみ」「特定ユーザー」のいずれかで選択
【基本のダッシュボード構成】
ダッシュボード名 | 主な内容 | 対象者 |
営業チーム用 | 商談進捗・成約率・見込み金額 | 全営業担当者 |
マネージャー用 | チーム別実績比較・KPI推移 | 管理職・責任者 |
経営会議用 | 月次売上・予実対比 | 経営層 |
Tips: Sales Hub Professional以上のプランでは、カスタムレポート機能を活用して、Slackやメールに自動送信することも可能です。
アカウント全体設定(通貨・言語・タイムゾーンなど)
最後に、アカウント全体の基本情報を整備します。これらを初期設定で統一しておくことで、データの整合性が保たれます。
【設定項目】
- 通貨設定:主要取引通貨を設定(例:JPY / USD)
- 言語設定:日本語またはチーム共通言語を選択
- タイムゾーン:営業拠点の所在地に合わせる(例:Asia/Tokyo)
- 日時フォーマット:日本式(YYYY/MM/DD)で統一推奨
【補足】
- 海外拠点を持つ企業では、チーム単位でタイムゾーンを分けることも可能
- 売上報告やレポートの通貨を統一しないと、集計時に誤差が発生するため注意
STEP2:各オブジェクトのプロパティ設定を最適化する
HubSpotを正しく活用するうえで最も重要なのが、プロパティ(項目)の設計と運用ルールの統一です。どんなに優れたCRM機能でも、項目設計が不十分だとデータが活かせず、営業分析やレポートの精度も下がってしまいます。
このステップでは、各オブジェクトごとに必要なプロパティの整理と設定手順を解説します。
プロパティ設計の基本方針
プロパティ設計の目的は、「営業活動を正確に記録し、分析に使えるデータ構造をつくること」です。設計段階では、次の3つの原則を意識しましょう。
【設計の3原則】
1.目的に直結する項目のみ設定する
不要なプロパティはデータ入力の手間を増やす原因になります。「レポートで使うか?」を基準に項目を取捨選択します。
2.命名ルールを統一する
複数の管理者がカスタム項目を追加する場合、命名ルール(例:deal_で始めるなど)を決めておくと混乱を防げます。
3.標準項目を優先的に活用する
HubSpotには多くの標準プロパティが存在します。重複項目を避け、既存の項目を再利用する方がメンテナンスが容易です。
オブジェクト別の代表的プロパティ設定
以下の表は、HubSpot Sales Hubでよく利用されるプロパティ例をまとめたものです。初期構築時の参考として活用してください。
オブジェクト | 代表的プロパティ | 活用目的 |
コンタクト(Contacts) | 氏名/メールアドレス/部署/リードソース/最終接触日 | 営業活動履歴やリード獲得経路を把握 |
会社(Companies) | 会社名/業種/従業員数/地域/ドメイン | 顧客セグメントの分類・分析 |
取引(Deals) | 取引金額/確度/ステージ/見積日/担当者 | パイプライン管理・予実分析 |
チケット(Tickets) | 問い合わせ種別/優先度/対応担当者/完了日 | サポート履歴や顧客満足度管理 |
補足: カスタムプロパティを追加する際は、「入力タイプ(テキスト/選択式/日付)」を明確にし、フォームやワークフローで活用できるように設計します。
プロパティ追加と編集の手順
【手順】
- 設定 > オブジェクト > 対象オブジェクト(例:コンタクト) を開く
- 「プロパティ」タブを選択
- 「プロパティを作成」ボタンをクリック
- 以下の項目を入力する:
- 内部名(例:contact_source_custom)
- ラベル名(表示名)
- フィールドタイプ(ドロップダウン/テキスト/日付など)
- 説明(チームメンバーへの補足)
- 保存後、必要に応じてビューやフォームに追加
【設定時の注意点】
- 「内部名」は一度設定すると変更不可のため、命名規則を明確にする
- ドロップダウン項目は将来的な拡張を見越して余裕を持たせる
- 他Hubとの連携を考慮して、Marketing HubやService Hubでも同名項目を共通化
STEP3:取引ステージの最適化を行う
HubSpot Sales Hubの「取引ステージ(Deal Stage)」は、営業活動を管理する中核的な要素です。ステージ設計が適切でないと、案件の進捗管理が曖昧になり、レポートの精度や営業チームのアクション判断にも影響します。
ここでは、実際の営業プロセスに即した最適な取引ステージ設計と運用ルールを解説します。
ステージ設計の基本構成
HubSpotのデフォルト設定をそのまま使う企業が多いですが、効果的な運用には自社営業プロセスに合わせたカスタマイズが不可欠です。一般的なBtoB営業のフローをもとにしたステージ構成の一例を以下に示します。
ステージ名 | 概要 | 成約確度(%) | 主なアクション |
リード接触 | 初回メール・電話接触段階 | 10% | 顧客課題の確認 |
ニーズ把握 | ヒアリング完了、課題明確化 | 25% | 要件定義・社内共有 |
提案中 | 見積・提案書を提示済み | 50% | プレゼン・調整 |
交渉中 | 契約条件の最終調整 | 80% | 稟議対応・価格交渉 |
成約 | 契約締結・受注確定 | 100% | アフターフォローへ引き継ぎ |
失注 | 契約に至らなかった案件 | 0% | 失注理由を記録・分析 |
【ポイント】
- ステージ数は5〜7段階程度にとどめ、わかりやすくする
- ステージ名は「状態」を表す動詞ベースに(例:「交渉中」「提案済み」)
- ステージ移動時に必要な条件(例:「見積提出済み」など)を明確化
ステージ確度の設定と活用方法
各ステージには「成約確度(%)」を設定します。この数値があることで、HubSpotは自動的に予測売上(Forecast)を算出します。
【設定のコツ】
- 過去実績に基づく確率設定
- 過去6ヶ月〜1年分のデータを分析し、各ステージの成約率を反映
- 例:「提案中」→50%前後、「交渉中」→80%など
- 全チームで統一ルールを適用
- 確度設定がバラバラだと、レポート精度が崩れるため、チームで統一
- レポート分析に活用
- 確度ごとの見込み金額集計で、売上予測精度を高める
ステージ | 案件数 | 確度 | 見込み売上(円) |
提案中 | 20 | 50% | ¥1,000,000 |
交渉中 | 10 | 80% | ¥800,000 |
成約 | 5 | 100% | ¥500,000 |
→ 合計見込み売上:¥2,300,000
ステージ移動ルールの明確化
Sales Hubでは、取引ステージの「更新トリガー」をルール化しておくと運用が安定します。
【例:ステージ移動の条件】
- 「ニーズ把握」→「提案中」:見積書をHubSpot内に添付した時
- 「提案中」→「交渉中」:提案承諾・条件調整の打診を受けた時
- 「交渉中」→「成約」:署名済み契約書を受領した時
【設定場所】
- 設定 > オブジェクト > 取引 > パイプライン > ステージ編集画面
【ワークフロー連携例】
- ステージが「成約」になったら、自動で「売上報告メール」を送信
- ステージが「失注」になったら、「失注理由」入力を必須化
最後に
HubSpotの導入後の手順書としてまとめてみました。今回の記事を作成するにあたり、0からHubSpotの構築作業を行なってきたのですが、改めてHubSpotというツールは直感的かつノーコードでサクサクと構築ができるので非常に便利なツールですね。以上 長くなりましたが、お付き合いいただきありがとうございます。
もし、HubSpotの初期設計やってほしい!と思ったら以下よりお問い合わせください。



