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エンタープライズセールスは「誰と会うか」で決まる。ターゲティングの考え方をまとめてみた/原ブロVol27

こんにちは。セールスリクエスト代表の原です。 

日々様々な企業のインサイドセールス支援に入っている中で思ったことをつらつらと書いていきます。

本日は『エンタープライズセールスのターゲティング』について

ここ最近、当社にご相談・ご発注いただく企業の9割近くが、「エンタープライズ企業との接点を増やしたい」という内容に変化してきています。

「このリストにアプローチしてほしい」というオーダーもあれば、0からターゲット企業を選定し、リストを作成してほしいというオーダーもあります。

ただ、エンタープライズ企業を従業員数や売上規模といった条件でガサっとリストアップし、アプローチしていくだけでは必ずしも商談や受注にはつながらなりません。

大手企業ほど組織が大きく、同じ企業の中でも部署や役職によって、抱えている課題、KPI、予算、意思決定への影響力が全く異なります。

部署や事業が変われば、もはや別会社なのではないかと思うくらい、組織の考え方や意思決定の仕組みも違います。

だからこそ、エンタープライズセールスでは「どの企業を狙うか」だけではなく、その企業の中の「誰を狙うか」まで解像度を上げる必要があります。

なので今日は、当社がターゲット選定・リストアップをする際に、どのような考え方で「会うべき人」を定義しているのかをまとめてみたいと思います。

ターゲティングフレーム

例えば、某製造業向けAIソリューションの場合、以下のようにターゲットを整理していきます。
まず、どの業界でAI活用ニーズが顕在化しやすいのかを考えます。

まず「業界」

一言で製造業と言っても、その範囲はかなり広いです。

自動車部品、電機・電子部品、産業機械、化学・素材、食品・飲料、医薬品など、業界によって製造工程も異なれば、抱えている課題も異なります。

なので、単に「製造業を狙う」のではなく、どの業界で自社サービスのニーズが強く、導入効果が出やすいのかを整理します。

例えば、生産効率や品質向上に対するニーズが高いのか。データ活用の余地が大きいのか。競争環境が厳しく、生産性向上への投資意欲が高いのか。

こうした仮説を立てながら、優先的に狙う業界を決めていきます。

過去の受注実績や事例があれば参考にして、まだ実績が少なければ、顧客インタビューや商談結果をもとに仮説を立てていくイメージです。

次に「部署」

業界を決めたら、次に考えるのが部署。

大手企業の場合、同じ企業の中でも部署によって抱えている課題やKPIは全く異なります。

例えば、製造業向けAIソリューションでも、生産技術部門であれば生産プロセスの最適化や効率化、製造技術部門であれば製造工程の改善や自動化、品質保証部門であれば品質検査や不良率の低減などがテーマになります。

DX推進部門であれば全社DXやシステム開発、工場であれば現場改善や稼働率向上が主な関心事になります。

同じAIソリューションでも、部署が変われば課題もKPIも違う。当然、刺さる訴求も変わります。

だから「製造業向けAIです」と一律のメッセージでアプローチするのではなく、自社サービスによって解決できる課題を、どの部署が最も強く持っているのかを整理します。

個人的には、エンタープライズ営業においては、企業選定以上にこの部署選定が重要だと思っています。

企業が合っていても、部署を間違えれば商談にはなりません。

仮に商談になったとしても、「うちの管轄ではありません」で終わります。

その場合は、1st商談自体を情報収集の機会として捉え、「このテーマは御社ではどの部署が管掌しているのか」「どの部門が最も課題を持っているのか」をヒアリングし、次の接点につなげていきます。

最初の商談相手が正解でなくても、その商談から社内の地図を描いていきます。

これもエンタープライズセールスでは重要だと思っています。

企業を狙うのではなく、その企業の中で課題を持つ部署を狙う。

ここまで解像度を上げる必要があります。

最後に「役職」

そして最後に考えるのが役職。

担当者、課長、部長、工場長、執行役員、取締役。

ここで重要なのは、単純に役職が高い人を狙えばいいわけではないということ。CxOとのアポイントを獲得すること自体が、エンタープライズ営業ではありません。

現場で課題を強く感じている担当者と接点を持っても、その人が社内でテーマを動かせなければ案件化しないことも多いです。

僕らが狙うべきだと考えているのは、

  • 課題を強く認識している。
  • 社内でテーマを推進できる。
  • 予算・意思決定者へアクセスできる。

この条件を持つ人。

課題を持つ人ではなく、その課題を社内で案件化・推進できる人。

  • 製造現場の課題であれば工場長。
  • 部門単位の改善であれば部長。
  • 複数部門を横断するテーマであれば、DX推進責任者や執行役員。

サービスの単価・導入範囲・解決する課題によって「会うべき役職」は変わります。
最初から「CxOを狙う」「部長以上を狙う」と決めるのではなく、受注までの社内意思決定プロセスから逆算して、誰と接点を持つべきなのかを考えていきます。

最後に

「業界 × 部署 × 役職」を整理すること自体が、ターゲティングのゴールではありません。

最終的に特定したいのは、自社サービスによって解決できる課題を強く認識し、その課題を社内で案件化・推進できる人は誰なのか。

受注から逆算して「会うべき人」を定義します。

そのために、業界を選び、部署を選び、役職を選びます。

エンタープライズセールスにおけるターゲティングは、企業リストを作る作業ではなく、受注確度の高い商談機会を設計する作業だと思っています。

ただ、ここまで書いておいてなんだけど、会うべき人が完璧に分かれば誰も苦労しません。

企業のホームページやIR資料を読み込んでも、実際にどの部署が課題を持っているのか、誰が社内でテーマを推進しているのかまでは分かりません。

組織図に部署名や部署番号は載っていても、実際の役割や管掌範囲までは見えません。

同じ「DX推進部」でも、全社戦略を担っている会社もあれば、IT導入の事務局に近い会社もあります。

同じ「工場長」でも、設備投資の意思決定に強く関与する会社もあれば、本社主導でほとんど権限を持たない会社もあります。

外から見える情報だけで、完璧なターゲティングをするのはほぼ不可能です。

だから僕らは、ターゲティングを「最初に決めて終わるもの」だとは考えていません。

  • 仮説を立てる。
  • アプローチする。
  • 企業と会話する。
  • 一次情報を得る。
  • ターゲットを修正する。

この繰り返しで、解像度を上げていきます。

ここは、僕らがエンタープライズ企業向けのインサイドセールスをやってきたからこそ、強みを持てる部分だと思っています。

僕らが蓄積しているのは、企業名や代表電話番号だけではありません。

  • どの部署が何を管掌しているのか。
  • 部署への接続ルートはどこなのか。
  • 誰がテーマを推進しているのか。
  • どの部署・役職なら商談化しやすいのか。
  • 過去にどのような反応があったのか。

実際にエンタープライズ企業へアプローチし、会話したからこそ得られる一次情報を営業資産として蓄積しています。

そして、この情報を次のターゲティングに反映していきます。

こうした情報を、秘伝のタレとしてリストに蓄積しています。

ここが、僕らがターゲティングから営業活動を支援する意味だと思っています。
最初から正解を当てるのではなく、営業活動そのものをリサーチ活動に変え、受注に近い「会うべき人」へターゲットを寄せていきます。

仮説で始めて、一次情報で磨く。

これが、今のセールスリクエストが考えるエンタープライズセールスのターゲティングです。

エンタープライズ企業と接点を持っていきたいという会社はぜひ問い合わせお待ちしてます。

不定期で気が向いた時に更新していきますので、どうぞお付き合いください。

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原 秀一/代表取締役
原 秀一/代表取締役
株式会社セールスリクエストの代表取締役。自身が現場で培った営業ノウハウを発信。著書『インサイドセールス実践の教科書』

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