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クロスセルはなぜカスタマーサクセス任せだと機能しにくいのか/原ブロVol22

こんにちは。セールスリクエスト代表の原です。 

日々様々な企業のインサイドセールス支援に入っている中で思ったことをつらつらと書いていきます。

本日は『クロスセル』について

SaaSやサブスクモデルにおいて、エンタープライズ企業が顧客となってからの「クロスセル・アップセル」の重要性はよく語られます。

その流れの中で、既存顧客を最も理解しているカスタマーサクセスがその役割を担うという組織設計も多く見られます。ただここには少し難しさがあるように感じています。

活用支援と営業活動は似て非なるもの

CSは顧客との活用支援から企業との関係性構築および解約阻止に重きを置いた組織だと言えます。

  • キックオフ
  • オンボーディング
  • 業務ヒアリング〜活用支援
  • 継続利用の支援

これらの活動はすべて顧客に寄り添うことが前提になっています。

一方で、クロスセルは営業活動のど真ん中と言えるので動きが異なります。

  • 別窓口の探索と提案機会の創出
  • 課題ヒアリング及び提案
  • 価格・機能・意思決定含めたネゴシエーション

少なくとも自分の経験上は、関係性の延長線上で自然に生まれるケースはそこまで多くなく、どちらかというと営業として取りに行っているケースの方が再現性が高いように感じています。

受動的な紹介依頼だけだと弱い

よくあるクロスセルのアプローチとして「もしよければ他部署もご紹介いただけませんか?」という打診があります。

経験上、ここから紹介が生まれるケースは多くなく先方側のハードルも高いです。

  • 紹介する側にもリスクがある
  • 紹介する理由が弱い(相手にメリットが見えづらい)
  • タイミング依存(たまたまニーズが顕在化しているかどうか)

結果として断り文句の「機会あったらね」で終わるケースがほとんどです。

このような受動的な紹介を入口としたクロスセルは再現性がすこぶる低いです。(対面する方が組織内のハブでないと成り立たないと思っています)

CSのKPI設計とクロスセルの非相性

もう一つ大きいのはKPIです。

CSの基本的な動きとして

  • チャーン防止
  • 利用率向上
  • NPS向上

といった守りの指標を持つことが多いです。

ここにクロスセルという攻めの指標を乗せるとどうなるか。

  • 無理に提案すると関係性が悪化するリスク
  • 攻めるほど本来のKPIとトレードオフ
  • 結果としてどっちつかずになる

良い関係性を維持することと売りにいくことは、同時に成立させるには設計が必要で、役割としてそもそも分離した方が機能しやすいケースが多いように思います。

クロスセルに必要なのは探索と仮説

一定規模の会社になると、部門を跨げば別会社と言えるくらいそれぞれが分断されているケースは多いです。もはや組織内ですら誰がキーマンなのかもわからないことは多いです。

その中でクロスセルで成果を上げる最低限として

  • 別部署の存在を把握している
  • その部署・支店の課題仮説を持っている
  • 決裁構造と意思決定をある程度理解している

新規開拓に近い動きが含まれています。

これはもはやCSというよりも、既存顧客を起点にした新規開拓に近いです。

ちなみに某CRM企業はこの領域をAEとISが担っています。

カスタマーインサイドセールスのススメ

個人的にはクロスセルの入口を担うのはカスタマーインサイドセールス(CIS)が良いのではないかと思っています。

役割イメージとして

  • 他部署/他拠点/他店舗/子会社のリストアップ
  • 既存顧客のCSとの情報連携
  • 仮説ベースでのアプローチ設計
  • 必要に応じたアウトバウンド活動
  • FSに繋ぐための0.5次商談創出

CSが持っている顧客情報をインプットしながら、営業として攻める役割を担っていくイメージです。

役割分担としてはこんな感じです。

  • カスタマーサクセス:関係性構築/活用支援/継続利用
  • カスタマーインサイドセールス:探索/接点創出/商談化

クロスセル専任部隊の接点最大化をしていく機能を持つことで、結果としてクロスセルの再現性が上がるという構造が作れるのではないかと思っています。

弊社の支援事例でもカスタマーインサイドセールスを起点に、グループ企業・他拠点・他店舗・他部署などをリストアップして、CSではマンパワーが足りない領域をガッと攻めていく活動を担っていますが、やはり既存顧客だけあって商談創出も案件化も群を抜いて高いです。

既存顧客へのクロスセルは関係性があるからこそ、踏み込みづらいという難しさがあります。

その結果として

  • 誰も強く提案しない
  • 紹介も広がらない
  • 機会が自然消滅する

という状態が起きやすいのではないでしょうか。

だからこそ、誰が取りに行くのかを曖昧にせず、営業活動の一環として設計し直す必要がある領域なのではないかと思っています。

その一つの形として、カスタマーインサイドセールスという役割は、これから重要になってくる気がしています。

不定期で気が向いた時に更新していきますので、どうぞお付き合いください。

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原 秀一/代表取締役
原 秀一/代表取締役
株式会社セールスリクエストの代表取締役。自身が現場で培った営業ノウハウを発信。著書『インサイドセールス実践の教科書』

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