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AI時代のゴールドラッシュで何を売れば儲かるか/原ブロVol33

こんにちは。セールスリクエスト代表の原です。 

日々様々な企業のBtoB営業支援に入っている中で思ったことをつらつらと書いていきます。

本日は『AI時代に何を売れば儲かるか』について

今の生成AI市場の盛り上がりを見ているとゴールドラッシュの話を思い出します。

19世紀のゴールドラッシュでは、一攫千金を夢見て多くの人が金鉱へ押し寄せました。

しかし、当然ながら全員が金を掘り当てられたわけではありません。一方で、金を掘る人たちに必要な道具や衣服、生活物資を提供する商売も大きく成長しました。

有名なのがリーバイスです。

ゴールドラッシュ期のサンフランシスコで商売を始め、後に鉱山労働者をはじめとした働く人たちの需要を背景に、丈夫なワークパンツを提供するようになりました。

こうした「ゴールドラッシュでは金を掘るより、ツルハシを売った人が儲かった」という有名な比喩が生まれています。

ゴールドラッシュが起きたとき、必ずしも自分で金を掘り当てる必要はありません。

そこに大量の人と資本が流れ込むのであれば、その人たちが必要とするものを提供することでも巨大な市場が生まれます。

今のAI市場も、かなり似ているように思います。

みんなが「AIという金鉱」を掘り始めた

今、世界中の企業がAIという金鉱に殺到しています。

  • AIエージェントを作る
  • AISaaSを作る
  • 既存プロダクトにAI機能を追加する

国内外問わず優秀なエンジニアもプロダクトマネージャーも「次の巨大AIプロダクト」を探しています。

当然、この中から巨大企業は生まれます。

ただし、全員が金鉱を掘り当てられるわけではありません。

しかも生成AIによってプロダクト開発そのものが簡単になればなるほど、似たようなAIプロダクトは大量に生まれます。

「作れる」ということ自体の価値は、むしろ下がっていきます。

だからうちは、自分たちまで同じように金鉱を掘りに行く必要があるのか、と考えています。

AI時代の「ツルハシ」は何か

AI時代のツルハシとは何でしょうか。

半導体、クラウド、データセンターなどインフラも当然そうだと思います。

ただ、企業の業務という観点では別のツルハシもあります。

  • AIをどの業務に使うのかを設計する
  • 既存システムとAIを接続する
  • AIを現場へ導入する
  • 社員が使えるように教育する
  • AIと人間を組み合わせたオペレーションを作る
  • 実際の業務をAI+BPOで巻き取る
  • 最終的に売上向上やコスト削減まで持っていく

こうした仕事です。

ここに、大きな市場があります。

なぜなら、AIが進化すればするほど「できること」と「企業が実際にできていること」の差が広がるからです。

7年前も「Salesforceを使いこなせない」が商売になった

7年前、起業した頃のことです。

Salesforceの活用支援を始めたときと同じでした。

当時から多くの企業がSalesforceを導入していました。

それでも、導入したけど使えない、入力されない、データ活用できない、業務に合わせて設計できない…etc。

プロダクトがないことが問題ではなく、プロダクトを使いこなせないことが問題でした。

そこで私たちは、Salesforceの活用支援をサービスとして提供しました。(これをDXやシステム部門ではなく、セールスやマーケに提供しました)

これが起業初期に当たったサービスの一つになりました。

それから7年経ち、Salesforceは圧倒的に進化して導入企業も増え、詳しい人材も増え、ノウハウもインターネットやYoutubeを見れば大量に存在するようになりました。

それでも、「Salesforceを導入したけど使いこなせない

という相談はいまだになくなっていません。

むしろ企業規模が大きくなればなるほど、システムだけでは解決できない問題が増えていきます。

  • 部門ごとに業務が違う。
  • 既存システムとの兼ね合いがある。
  • 現場のオペレーションを変えなければならない。
  • そして何より、人の行動を変えなければならない。

ここに重要なヒントがあると思っています。

テクノロジーが普及すれば、活用支援がなくなるわけではありません。

むしろ、

テクノロジーが進化するたびに、新しい「使いこなせない」が生まれます。

AIなら、そのサイクルはもっと速いはずです。

AIの進化速度に、人と組織は追いつけるのか

最近AI界隈を見ていると、一部のトップエンジニアやAIに傾倒している人たちの進化速度はものすごいです。

毎日のように新しいツールを試して、昨日まで人間がやっていた仕事をどんどんAIへ置き換えていきます。

ただ、彼らを見て「世の中全体がこれくらいAIを使っている」と考えてしまうと、実態を見誤ります。

一般的な企業の現場を見ると、ChatGPTに壁打ちする、Copilotでチャットの添削やメール返信文を作る程度だったりします。

つまり、

テクノロジーの進化速度と、人・組織の適応速度は全く違います。

そしてAIが速く進化すればするほど、このギャップは一時的に大きくなります。

このギャップこそが、ビジネスになります。

金を掘るのか、ツルハシを売るのか

AI時代、ここからさらに大量のプロダクトが生まれます。

その中から巨大な金鉱を掘り当てる会社も出てくるでしょう。

ただ、それだけがAIビジネスではありません。

金鉱を掘り当てようとしている企業が何万社も存在するのであれば、その企業たちがAIを使いこなすために必要なものを提供する側に回ります。

これも一つの大きな事業機会だと思います。

そして個人的には、こちらの方が再現性が高いのではないかとも思っています。最近注目されているFDE(Forward Deployed Engineer)も、ある意味ではこの流れの一つだと思います。

完成したプロダクトを渡して「使ってください」で終わるのではなく、顧客の現場に入り込み、業務を理解し、テクノロジーを実装し、実際に使われるところまで持っていきます。

プロダクトと顧客の間に人が入り、ラスト1マイルを埋めます。

AIの性能が上がれば、この仕事がなくなるようにも見えますが、むしろ逆です。

AIのできることが増えれば増えるほど、「じゃあ自社ではどう使うのか」という問題が大きくなります。

AIプロダクトより、成果を売る

AIアプリを作ることが簡単になるほど、プロダクトそのものはコモディティ化します。

一方で、

  • 企業の業務を理解すること。
  • 組織を理解すること。
  • AIを既存業務へ組み込むこと。
  • 現場のマインドや行動を変えること。
  • そして成果まで責任を持つこと。

これは簡単にはコモディティ化しません。

例えば、うちが向き合うセールスマーケの領域で考えても同じです。

顧客が本当に欲しいのは、AI議事録でも、AIメール作成でも、AIサジェストでもAIリスト生成でもありません。

例えば、「営業を一人採用しなくても、同じだけのパイプラインを作れる」のであれば、そこにお金を払います。

  • 売上が上がる。
  • 売上見込みが増える
  • 利益率が改善する。
  • 人件費が下がる。(これは事実上無理だけど)

結局、顧客が買いたいのはAIではなく成果です。

AI時代のゴールドラッシュで、本当に価値があるのは何なのか。

金を掘り当てることなのでしょうか。

ツルハシを売ることなのでしょうか。

あるいは、リーバイスのように、そこで働くすべての人が必要とするものを提供することなのでしょうか。

少なくとも、誰も使わないAIアプリを大量に作ることではないでしょう。

AIを売る会社ではなく、AIを使って成果を売る会社です。

テクノロジーの進化と、人・組織の適応速度のギャップが広がり続けるのであれば、その間を埋める会社こそ、AI時代の「ツルハシを売る側」になれるのではないでしょうか。

不定期で気が向いた時に更新していきますので、どうぞお付き合いください。

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原 秀一/代表取締役
原 秀一/代表取締役
株式会社セールスリクエストの代表取締役。自身が現場で培った営業ノウハウを発信。著書『インサイドセールス実践の教科書』

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