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展示会のリードを名刺の山で終わらせない!成果につながるフォローの極意とは

展示会で名刺を大量に獲得しても「その後の商談につながらない」という課題を多くの企業が抱えています。そしてインサイドセールスの現場でも日常的に起きている課題であり、最大の原因はフォローの遅れや仕組みの不在。時間が経つほどリードの関心は薄れ、貴重な商談創出の機会を逃してしまいます。

本記事では、展示会で得たリードを確実に成果へとつなげるための基本ステップとフォローの極意、ツール活用や成功事例を紹介します。名刺の山を「商談の山」へ変える具体策をまとめました。

目次[非表示]

  1. 1.なぜ展示会でのリードは成果につながりにくいのか
    1. 1.1.名刺交換で終わる
    2. 1.2.フォローが遅い
    3. 1.3.「翌日」が勝負になる理由
  2. 2.展示会のリード管理の基本ステップ
    1. 2.1.STEP1.事前準備(展示会前)
    2. 2.2.STEP2.データ収集(会期中)
    3. 2.3.STEP3.データ整理(会期直後)
    4. 2.4.STEP4.フォローアップ(翌営業日)
    5. 2.5.STEP5.リードナーチャリング
    6. 2.6.STEP6.振り返りと改善
  3. 3.セールスリクエスト流の「展示会フォローの極意」
    1. 3.1.セールスリクエストの体制 ― 展示会フォローの基本的な考え方
    2. 3.2.事前準備
      1. 3.2.1.デジタル化による効率化
      2. 3.2.2.アンケート設計の工夫
      3. 3.2.3.体制の設計 ― エースインサイドセールス担当の配置
    3. 3.3.当日の対応
      1. 3.3.1.エースインサイドセールス担当の動き
    4. 3.4.展示会後のフォロー
      1. 3.4.1.メールでの初動対応
      2. 3.4.2.タッチ回数の設計
      3. 3.4.3.複数オファーによる最終アプローチ
  4. 4.展示会のリードで活用したい代表的ツール
    1. 4.1.名刺管理・ヒアリングフォーム:immedio Forms
    2. 4.2.メール設計・配信:HubSpot、Account Engagement(旧 Pardot)
    3. 4.3.CRM:Sales Cloud、HubSpot CRM
  5. 5.セールスリクエストでの展示会フォロー成功事例
    1. 5.1.GMO Flatt Security 様
  6. 6.まとめ

なぜ展示会でのリードは成果につながりにくいのか

名刺交換で終わる

名刺を集めても、適切なフォロー設計がないと記憶に残らず、接点が活かせません。「展示会出展の課題に関する実態調査 」のデータによると、「名刺は取れても商談に結びつきにくい」という状況が一般的で、 半数以上が20%以下と回答しています。

展示会出展の課題に関する実態調査株式会社ハンモック「展示会出展の課題に関する実態調査」を基に作成

フォローが遅い

「展示会出展の課題に関する実態調査 」によると、展示会終了後のアプローチが1週間以上遅れるケースは少なくありません。

展示会出展の課題に関する実態調査

株式会社ハンモック「展示会出展の課題に関する実態調査」を基に作成

一方で、当日から翌日に動く競合もあり、対応スピードの差が成果を分けます。

出典:株式会社ハンモック「展示会出展の課題に関する実態調査」 

「翌日」が勝負になる理由

展示会で得た印象や熱量は、時間とともに薄れます。心理学者エビングハウスの忘却曲線によれば、人は1日後には学んだことの67%を忘れてしまうとされています。(記憶保持率33%)当日〜翌日中の御礼・架電が、記憶の鮮明なうちに次の約束へつなげる最重要ポイントです。スピード対応を前提に、体制とツールを整えましょう。

経過時間

記憶保持率

忘却率(逆算値)

20分後

58%保持

42%忘却

1時間後

44%保持

56%忘却

9時間後

36%保持

64%忘却

1日後

33%保持

67%忘却

2日後

28%保持

72%忘却

6日後

25%保持

75%忘却

出典:Hermann Ebbinghaus (1885) 『Über das Gedächtnis』 / 英訳版 (1902) Memory: A Contribution to Experimental Psychology

展示会のリード管理の基本ステップ

展示会で得たリードを成果につなげるためには、場当たり的な対応ではなく、あらかじめ設計されたプロセスに沿って進めることが重要です。以下の6つのステップを基本フローをご紹介します。

STEP1.事前準備(展示会前)

展示会の成功は当日の工夫よりも、事前の運用設計に左右されます。誰がヒアリングし、誰が入力・確認を行うのかといった役割を明確にし、BANT条件や興味領域など共通項目を定義した入力フォーマットを整えます。また、会期中から直後にかけて情報を即時に共有できる仕組み(チャットやCRM)を構築することにより、属人化を防ぎ、情報の精度とスピードを高めます。

STEP2.データ収集(会期中)

名刺やヒアリング記録は、紙や手作業ではなく、あらかじめデジタル化を前提とした方法で収集することが不可欠です。これにより、遅延や抜け漏れといったリスクを回避できます。

最近では、QRコードの読み込みによる来場者情報の取得も増えており、名刺交換と並んで標準的な手法になりつつあります。QRコードを活用すれば、入力作業を省略でき、即時にCRMやアンケートフォームへ連携できるため、効率性と正確性がさらに高まります。

STEP3.データ整理(会期直後)

展示会終了後は時間との勝負です。名刺やアンケートを当日中にCRMへ登録し、御礼メールを送信できる体制を整えましょう。リードの温度が高いうちに次のアクションへ移ります。

STEP4.フォローアップ(翌営業日)

インサイドセールスが翌営業日から架電できる状態を理想とします。来場者の記憶が鮮明なうちに会話を行うことで、商談化率は大きく高まり、スピードそのものが差別化要因となります。

STEP5.リードナーチャリング

すべてのリードがすぐに商談につながるわけではありません。中長期での検討層にはメールナーチャリングを行い、情報収集段階の層にはホワイトペーパーやウェビナーといったコンテンツを案内することで、段階に応じた継続的な接点を保ちます。

STEP6.振り返りと改善

展示会後には必ず振り返りを行います。商談率や獲得数、商談化までにかかった時間などの定量評価に加え、現場でのヒアリング内容や対応品質といった定性評価も行うことで、次回に向けた改善サイクルを回します。

セールスリクエスト流の「展示会フォローの極意」

セールスリクエストは、BtoB企業向けにインサイドセールス代行・体制構築支援を行うセールス支援会社です。クライアント支援で培った知見に加え、自社の展示会でも同じ仕組みを用いてフォローを実践し、実際に成果を上げています。これまでの支援実績と自社運用の両面から磨き上げたノウハウをもとに、商談化率を高める独自の仕組みを構築しました。ここでは、その具体的な方法を 「事前準備」「当日対応」「展示会後のフォロー」 に分けて紹介します。

セールスリクエストの体制 ― 展示会フォローの基本的な考え方

セールスリクエストでは、展示会リードを商談化までスムーズに運ぶために、明確な役割分担と情報伝達の仕組みを整えています。体制は大きく3つの役割に分かれています。

  • マーケティング部門:展示会で取得したリード情報を整理・データ化し、即日でインサイドセールスへ引き渡す。

  • インサイドセールス(IS):マーケから引き継いだリードへ即時アプローチを行い、商談化に向けた初期接触を担当。

  • フィールドセールス(FS):ISが商談化したリードを受け継ぎ、提案からクロージングまでを担う。

これらの部門間をつなぐために、セールスリクエストでは 「情報が流れる仕組み」 を徹底しています。展示会当日の現場で得られた情報は即日にデータ化され、CRMに反映。そのデータはISに引き継がれ、さらにFSへと連携されていくことで、伝言ゲームのような齟齬を生まず、精度の高いリードフォローが可能になります。
また、この体制を機能させるために

  • 人の連携:各担当者が事前に流れを理解し、共通ルールに沿って動けるよう準備

  • ツールの活用:名刺OCR・アンケート統合ツールを活用し、入力作業を最小化・即時データ化

の両輪として運用しています。このように、セールスリクエストの展示会フォローは、単なる属人的な動きではなく、部門横断で連携する仕組みを前提に設計されています。

事前準備

デジタル化による効率化

展示会のリード管理で最も重要なのは、現場で得られた情報をいかに迅速にデータ化できるかです。名刺OCR・アンケート一体型フォームを活用することで、手入力によるミスや遅延を防ぎ、即日でCRMに反映できる体制を構築します。これにより、即日御礼メール送信や翌日の架電開始が可能となり、リードの鮮度を落とさずにアプローチできます。

アンケート設計の工夫

アンケートは来場者に書いてもらうのではなく、ブース担当者が会話後に入力する形式を採用します。設問は基本的に選択式とし、必須項目には「Tier分類」「課題領域」「組織体制」「現行ツール」「当日のアクション」を設定。これにより、入力スピードと情報精度を両立できます。

さらに、課題項目を細かく分けて記録することで、翌日のインサイドセールスが電話をかける際に具体的な会話の糸口となり、商談化につながりやすいフォローが可能になります。加えて、課題キーワードを残すことは、AIを活用したメール作成やナーチャリング設計にも役立ちます。

▼Tier設計

Tier

定義

対応

S

課題ヒアリング済・BANTクリア・即アプローチしたい/ご連絡済み

即日〜翌日までにお礼メール + 翌日から架電

A

課題ヒアリング済・BANTクリア

即日〜翌日までにお礼メール + 翌日から架電

B

ヒアリングできていない or 条件を十分に満たしていないがターゲット対象である

翌日までにお礼メール + 架電はA以降順次

C

対象外(下記詳細)

対応なし

※QRスキャンのみはこちらに該当

D

見込みのあるバーター(ブース出展やエンブラ企業であり、ゴリ押しでない、他社名的に無下にできない企業)

名刺交換してメールにて先方から要件を聞き後から判断

▼アンケート項目(セールスリクエストの一部アンケート項目を公開)

体制の設計 ― エースインサイドセールス担当の配置

セールスリクエストでは、展示会フォローの要として経験豊富なエースインサイドセールス担当をブース接客に配置します。エース社員が対応することで来場者の課題や温度感を正確に把握でき、そのまま自らが架電やメールフォローを行うため、情報の引き継ぎによる齟齬がなくスムーズな対応が可能です。

当日の対応

エースインサイドセールス担当の動き

展示会当日の運用では、セールスリクエストは経験豊富なエースインサイドセールス担当を中心に据えています。エース社員は来場者対応だけでなく、翌日のフォローを見据えた情報収集と即時アプローチまで担うのが大きな特徴です。具体的な動きは以下の通りです。

  • 午前:架電対応
    • 前日に収集・データ化されたリードのうち、優先度の高いS/A Tierを対象に、午前中から集中的に架電を実施。

    • ブースで自ら接客した内容を理解しているため、会話内容と課題感を踏まえた精度の高いフォローが可能。

  • 午後:ブース対応
    • 午後は展示会ブースに立ち、来場者の接客やヒアリングを担当。

    • 得られた情報はその場でアンケート入力し、翌日のフォローにつながるよう整理。

このように午前はフォロー、午後は接客というサイクルを回すことで、展示会で得たリードを最短で商談化へ結びつける体制を実現しています。エース担当者が一貫して「接客 → データ入力 → 架電」を担うため、情報伝達の齟齬がなく、スムーズかつスピード感のあるアプローチが可能です。

展示会後のフォロー

メールでの初動対応

展示会終了直後はスピードが命です。セールスリクエストでは、B以上のリードに対して当日中にお礼メールを送信します。メールにはブース写真や特徴的なノベルティの画像を添えることで来場時の記憶を呼び起こし、商談化への入口を作ります。内容はテンプレート化されていますが、アンケートに残された課題キーワードを差し込むことで、簡易的なパーソナライズを実現しています。

▼セールスリクエストの一部メール文

セールスリクエストの一部メール文

タッチ回数の設計

セールスリクエストでは、「2週間で5タッチ」を基本ルールとしています。これは単なる理論ではなく、数多くの展示会フォロー支援や自社展示会運営を通じて蓄積した実践知から導き出された最適解です。

▼タッチ回数例

  • (当日)お礼メール送信

  • (翌日午前)S/A Tierへの架電(日程打診)

  • リマインドメール(課題キーワードを活用)

  • 追架電(時間帯を変えて再アプローチ)

  • 最終フォロー(反応がなければライトなCTA提示)

この「短期間での複数回接触」によって、リードの関心が高いうちに商談化へつなげる確率を高めています。

複数オファーによる最終アプローチ

即商談化が難しいリードに対しては、複数のオファーを提示して接点を維持します。

具体的には

  • 資料ダウンロード

  • ウェビナー参加案内

  • ホワイトペーパー提供

といったライトなCTAを用意し、見込み顧客にとって「次の一歩」を取りやすく設計します。こうしたオファーを複数提示することで、商談には至らなくてもナーチャリングの母集団に取り込むことが可能になります。

展示会のリードで活用したい代表的ツール

名刺管理・ヒアリングフォーム:immedio Forms

展示会特化型のソリューションとして注目されているのが 「immedio Forms」です。名刺OCRと選択式アンケートを統合し、入力工数を最小化しながら、BANT条件や課題領域といった重要情報を正確に収集できます。

さらにSalesforceとの自動連携により、展示会当日中にリード情報をCRMに反映できる点が大きな強みです。翌営業日からの即時フォローを可能にし、商談化スピードを大幅に高められます。

メール設計・配信:HubSpot、Account Engagement(旧 Pardot)

展示会後のフォローで欠かせないのが、メールマーケティングツールです。

  • HubSpot:CRM+マーケ機能を一体管理。

  • Account Engagement(旧 Pardot):Salesforceとの親和性が高く、商談プロセスと直結しやすい。

これらを活用すれば、展示会直後の御礼メールやナーチャリング用のシナリオ配信を自動化でき、スピードと精度の両立が実現します。

CRM:Sales Cloud、HubSpot CRM

展示会リードを成果に変える最終的な要となるのが、CRM(顧客関係管理)です。

  • Sales Cloud(Salesforce):世界的に利用されるCRMで、展示会リード管理から商談・案件管理までを一気通貫で実行可能。

  • HubSpot CRM:シンプルな操作性と柔軟性が特徴で、MAやメール配信と組み合わせた中小〜中堅企業の導入に適しています。

CRMを中心に据え、周辺ツール(名刺管理/フォーム/メール)を連携させることで、成果に直結する運用を実現します。

セールスリクエストでの展示会フォロー成功事例

GMO Flatt Security 様

GMO Flatt Security様事例

「まるで社員」密なコミュニケーションで、企業に合ったIS体制を構築する提案力と安心感

課題

GMO Flatt Security 様は、自社で多くのリードを獲得するものの、展示会や問い合わせ由来のリードが商談に結びつきにくいという課題を抱えていました。

技術寄り・論理的なコミュニケーションを好むCTOや技術担当者との商談では、適切なタイミングで価値提案を行うフォロー体制が不可欠であり、これをフィールドセールス中心では回しきれないという事情がありました。

選定理由

そこで、セールスリクエストを選んだ決め手は以下の2点です。

  • セキュリティなど専門性の高い商材を含むIT企業支援実績が豊富であったこと

  • 電話中心のBDRではなく、メールやオンラインを含む柔軟なSDRスタイルの提案が可能であったこと

導入後の成果

  • 月10〜20件の商談を安定獲得

  • 問い合わせ・資料請求など「高温度リード」をSlack経由で即時把握→迅速に架電につなげる仕組みを整備

  • マーケ/インサイドセールス/フィールドセールス間での連携が強化され、抜け漏れやタイムラグを削減

  • CRM構築・運用改善においても、セールスリクエストから提案を受け、営業プロセス全体の最適化に寄与

まとめ

展示会で獲得した名刺を成果に変えるには、迅速かつ体系的なフォローが不可欠です。時間が経つほど記憶は薄れ、せっかくの関心も商談機会も失われてしまいます。

本記事では、事前準備からデータ化・即時対応・ナーチャリング・振り返りまでの基本ステップを整理し、さらにセールスリクエストの実践ノウハウや成功事例を紹介しました。

ツール活用と役割分担を徹底することで、名刺の山を「商談の山」へと転換できます。展示会を単なる名刺収集の場で終わらせず、確実に成果へつなげるための指針としてご活用ください。

株式会社セールスリクエスト
株式会社セールスリクエスト
インサイドセールス支援を行う会社です。SDR/BDR/ABM/エンプラなどの商談獲得代行や、Salesforce/HubSpotの活用・構築などの実行支援を行います。"顧客体験の向上"をモットーにインサイドセールス・BtoBマーケティングの発信を行なっています。

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